「坊ガツル湿原リーフレット」ダウンロードできます
九電みらい財団では、坊ガツル湿原の美しい風景を大切に守り、より多くの人に楽しんでいただくために、湿原を守るためのルールや周辺のガイドマップ、四季の花々などを掲載したリーフレットを製作いたしました。
ぜひ、ダウンロードしてご活用ください。
坊ガツルの歴史と九州電力
1960年代~ 坊ガツル湿原の荒廃
坊ガツル湿原では、その昔、牛の放牧が行われていました。その頃は、毎年地元の牧野組合の方々が野焼きを行い、ずっと湿原が維持管理されていました。
しかし、その後の高齢化などによる後継者不足で畜産農家が減少し、1960年台後半からは野焼きが行われなくなりました。手付かずの湿原には、ノリウツギやアセビなどの低潅木やススキなどの雑草が生い茂り、陸地化が進み、荒れた原野と化してしまいました。
1999年~ 湿原の再生に向けた取組み
こうした状況を踏まえ、九州電力㈱大分支社が、かつての美しい湿原を取り戻すため、それまで途絶えていた野焼きを復活させるべく、地元関係者とともに調査や検討を行いました。
そして、1999年9月、地元の大分県久住町(現 竹田市)や九重町(ここのえまち)、地元各団体などと協力し、野焼きによって美しい坊ガツル湿原を再生することを目的に、「坊がつる野焼き実行委員会」を発足しました。
その後、半年間の諸準備を経て、2000年3月、地元各団体を中心に、九州電力㈱や同社グループ企業などからのボランティア、総勢150名の参加のもと、実に32年ぶりに坊ガツルでの野焼きを行うこととなりました。
2005年~ ラムサール条約に登録
32年ぶりに再開された野焼きは、「坊がつる野焼き実行委員会」が中心となって毎年継続され、美しい湿原を取り戻してきた2005年11月、国際的に重要な湿地を保全する「ラムサール条約」の第9回締約国会議において、「くじゅう坊ガツル・タデ原湿原」が国際的に重要な湿地のひとつとして登録されました。
その後も「坊がつる野焼き実行委員会」の手で、丁寧に維持されてきた美しい坊ガツル湿原。
九電みらい財団は、これまで九州電力㈱として長年に亘り取り組んできた環境保全活動や周辺地域での希少植物保護活動を受け継ぎ、九電グループのノウハウ等も活用しながら、これらの活動の充実に取り組んでいきます。
坊ガツル湿原周辺での環境保全活動
坊ガツル湿原での野焼き活動(8~3月)
1.輪地切り(8月)
「輪地切り」は、野焼きの際の延焼を防止するための防火帯をつくる作業です。
野焼きを行う場所の周囲の草を、幅10メートルの帯状に、延長約4キロメートルもの大きな輪を作るように、エンジン刈払機や鎌を使って刈っていきます。
アセビなどの低潅木も、チェーンソーで根元から伐採します。
2.輪地焼き(9月)
「輪地焼き」は「輪地切り」で刈った草を集めて焼き払い、防火帯部分に新芽が出ないようにするための作業です。「輪地切り」から 2~3週間後、刈った草が十分に枯れて乾燥した頃を目途に行います。
刈った草がすべて焼けると、湿原は黒い帯状の輪に囲まれます。これで防火帯の完成です。
3.本焼き(3月)
いよいよ「本焼き」。くじゅう連山の頂にはまだ雪が残る3月、草が枯れ、十分に乾燥した湿原全体に火を放ちます。
まず、火が一気に燃え広がらないよう風下側から火をつけ、風上に向かって徐々に燃え広がっていくのを待ちます。全体の半分程度が焼けると、次は風上側からも火をつけていきます。
火は風に煽られ、瞬く間に燃え広がり、火柱を上げながら、湿原全体を焼き尽くし、枯れ草で覆われていた湿原はわずか2時間ほどで真っ黒なじゅうたんに。
坊ガツル湿原での希少植物保護活動(7月)
坊ガツル湿原には環境省の絶滅危惧IB類に分類され「近い将来、絶滅の恐れがある」とされる「ツクシフウロ」が自生しています。
しかしながら、近年、人や動物等により持ち込まれた外来植物の進入により、このような希少植物が絶滅の危機にさらされています。
そこで毎年、環境省や地元の皆さまと一緒にアメリカセンダングサやヒメジョオンなどの外来植物を1本ずつ手で抜き、駆除していく活動を行っています。
平治岳(ひいじだけ)でのミヤマキリシマ植生保護活動(4、11月)
坊ガツル湿原に隣接する平治岳の希少植物であり、初夏には山肌を鮮やかなピンクに染めるミヤマキリシマの植生を保護しています。
ミヤマキリシマの育成に支障となる低木等を除去するとともに、満開のミヤマキリシマを見物に訪れる登山者の安全を守るため、老朽化している登山道の整備も行なっています。
~美しい坊ガツル湿原を守るために~
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