NPO法人 かごしま自然学校

次世代の廃校活用モデル「あそびのデパート」

  • 成人男性

    廃校には多くの人々の様々な想いが詰まっています。
    廃校が再び脚光を浴びることで、地域全体が明るくなっていくものと思います。

  • 廃校を再利用して、自然の豊かさや、モノづくりの世界を通して、人との触れ合いの大切さを学ばせる教育は必要だと思います。

    中年男性
  • 成人男性

    自然の中で遊ぶ!今はなかなかない、貴重な場だと思います!素晴らしい!

さまざまな体験を通じた次世代育成
団体プロフィール

NPO法人 かごしま自然学校

理事長は2011年の震災直後に、里山へ出かけて知恵を学ぼうという学生サークルを立ち上げ、部員と共に鹿児島県内各地の住民が運営する森林ボランティアや子ども会活動に参加しました。部員の増加に伴いアウトドアや釣りなど様々な方面に活動分野が広がる中、次世代育成要素の強い「子どもの体験活動」分野を主な活動とするNPO法人として申請することとなり、2015年に当法人が設立されました。2016年、九州電力株式会社の「こらぼらQでん」による扇尾地区での竹整備や、地区住民と廃校を使った「あそびのデパート」を協働で実施したところ、多くの仲間が廃校活用の活動に手を挙げたため、現在も当活動を実施しています。



 

活動内容について教えてください。

今回の活動には二つの目的があります。一つ目の問題は、子どもや若い世代の自然体験や生活体験が乏しくなっていて、生きる力やそれを活かす「21世紀型能力」が減衰しているということです。「あそびのデパート」では、親子で一日中楽しめる体験活動を廃校で実施することで、一種の学び舎の中で次世代の子どもや若者に様々な体験と活躍の場を提供することを目的に実施しています。また、運営委員会は単なる打ち合わせではなく「21世紀型能力向上塾」という名前で行われています。ここでは、どうすれば廃校が盛り上がるか、どうすれば地域・親子・NPO・アーティスト等の参加者がみんな楽しく、学びある場所となるだろうかと、前向きな議論が行われます。
もう一つの問題は、この先少子化により、廃校がどんどん増えていくということです。この活動は県内各地に広がり、2019年3月には7校目の活動を行います。「金太郎飴」になる、と懸念していましたが、地域住民と協働することで、その地域ごとにオリジナリティーが出てきています。こうした親子体験や生涯学習・音楽などの発表と活躍の場という付加価値をもって次世代につなぐべく活動しています。



 

どのような思いで活動していますか。

あそびのデパートの活動は、正直大変な思いです。大変というのは、運営の難しさということもありますが、仲間の思い、地域の思いが大きく詰まっている活動だと思っています。
例えば扇尾地区では今回の助成活動で初めて、地元の保育園による太鼓演奏が小学校で行われました。参加した地元住民は、満面の笑顔になっていました。町内の他の地区からも反響があり、電話で「この間の子どもさんと太鼓演奏はよかった、次はいつあるの?」という問い合わせがありました。
神殿小学校では、いろんな方に地域の環境を知ってほしいと、夜間に「ホタルのコンサート」が行われますが、今年度から、その日の昼にあそびのデパートを行っています(来年度も計画済)。
こうした廃校のある地域の思いや反響は、単なる思いだけでなく、まもなく限界を迎える地域の緊迫した課題を含んでいると受け止めています。私たちは、その課題を私たちはうまく吸い上げたいと思っています。次世代に残したいもの・・・それは地域によって異なるものもあれば、共通するものもあります。できることをできる限り、協力し合って次世代につなげられたらと思っています。



 

今後の展望や目標を教えてください。

助成活動を通して、いくつか広がりや改善すべき点が見えてきました。
一つ目は、参加者や地域住民から、「せっかく田舎に来るのだから、その地域でしかできない自然体験もさせたい」という意見がありました。この意見に関しては、当助成活動ではありませんが、9月と12月に、廃校があった地域でそうめん流しや門松づくりをする体験活動を行いました。校舎を利用すれば直接的な廃校活用になりますが、地域を知ってもらうという意味では、「廃校区活用」という視点を時々入れてみるのもいいのかもしれないと思いました。
二つ目は、学生スタッフの不足です。できるだけ学生ボランティアに来てもらって、一緒に21世紀型能力を鍛えていきたいと考えていますが、どの活動場所も交通が不便です。すなわち、興味を持っていても「移動手段がない」と諦めている学生もいるのでは?そこで21世紀型能力向上塾で出た意見は、一度鹿児島市など学生の多い所で実施して、学生が活躍する場を作ろうということでした。交通不便はレンタカーを借りるなど対処法はいくつもあります。それよりも大切なことは、学生など次世代の仲間に知ってもらうことが必要だと思っています。



 

本記事をご覧いただいている方々へのメッセージを自由にどうぞ。

数ある団体様の活動の中から、私たちの活動に関する記事を見ていただいて、本当にありがとうございます。あそびのデパートの活動は、廃校(ハイスクール)を主な舞台としてどんどん広がっています。応援してくださる方、また仲間になってくださる方を募集しております。田舎に行って、いろいろなことを体験して、お互いに新しい何かを学んで帰る、そんな活動をこれからも提供していきたいと思っています。ぜひ、これからも見守っていただけましたら幸いです。


【回答者】代表 吉岡 敦之

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