トムテのおもちゃ箱
当初は乳幼児を対象とした活動が中心でしたが、現在ではあらゆる世代が一緒に楽しめる遊び場をコーディネートする活動にも力を入れています。地域のつながりを深め、子育てしやすい環境づくり、誰もが安心して暮らせるまちづくりを目指し活動しています。
活動内容について教えてください。
1つ目はゲーム会の開催です。3歳から99歳までの方を対象に毎月定期的に開催しています。たくさんのゲームで自由に遊んでいただけるこのゲーム会は世代間交流の場ともなっています。
2つ目はゲームリーダー養成講座の開催です。この講座では、小学校高学年の子ども達と大学生や地域の方が一緒にゲームで楽しく遊びながら、人と楽しく過ごすためにはどんなことが必要か等、人とのつながり方について考えていきます。講座終了時には認定証を発行し、ゲームリーダーとして毎月のゲーム会に関わっていただいています。ゲーム会では、ゲーム選びのお手伝いをしたり、ルールの説明をしたりと大活躍です。
他にもテイップ・キックというドイツで人気のサッカーゲームを使った大会の開催や主に子育て中の保護者を対象にゲーム講演会も開催しています。講演会では「メディアに負けない遊びを考える」をテーマに、参加者にアナログゲームを体験してもらい、子どもにとっての遊びの大切さや意味を理解していただくと同時に家庭内での子どもとの過ごし方を考えるきっかけづくりを行っています。
どのような思いで活動していますか。
こうした現状に対して、ただ電子ゲーム等メディアに依存した遊びを否定したり、取り上げたりといったネガティブな方法で解決しようとするのではなく、もっと楽しく魅力的な遊びを具体的に子ども達に伝えるという視点から解決策を考えていきたいと思います。
この度ご助成いただいた事業では、その一つの有効なツールとしてアナログゲームを活用し、遊びを通じて子どもの育ちを応援すると同時に幅広い年齢の方が楽しめるというゲームの特性を活かし、世代間交流を積極的に行い、地域のつながりづくりにも取り組んでいます。
特にゲームリーダー養成講座では小学生から地域の方まで幅広い年齢の方が一緒に受講し交流を深め、その後も毎月のゲーム会で活躍しています。このような世代を超えた取り組みを広げていく中で、地域の子育て力の向上にもつなげていきたいと思っています。
今後の展望や目標を教えてください。
養成講座を終了したゲームリーダー達が、ゲーム会で活躍しています。用意された中に参加者として参加するだけでなく、子ども達自身が役割や責任ある立場となる場を設けることが、子どもの育ちに大きな力となり、ゲーム会そのもの活性化にもつながっているのを感じます。
アナログゲームを通じて様々な人と出会い、一緒にプレイしながら、負けたときの悔しさをコントロールする力、その悔しさがあるからこその勝った時の相手に対する思いやりの気持ち、相手を騙すちょっとした居心地の悪さ、ルールを守る大切さ、考える力、そして勝っても負けても人と一緒に過ごす楽しさ…社会で幸せに暮らす上で大切な様々な力を遊びを通じて子ども達に身につけてほしいと願っています。
このような貴重な学びの場であり世代間交流の場でもあるゲーム会を、少しでも多くの地域で継続的に運営していけるよう、ゲームリーダーという人材の育成に力を入れ、地域の中に枠組みづくりを行っていきたいと思います。
本記事をご覧いただいている方々へのメッセージを自由にどうぞ。
「遊んでいないで勉強しなさい!」そんな言葉に代表されるように、遊びは「無駄なもの」といったイメージを持たれることも少なくありません。
しかし遊びを通して子どもたちは社会で必要な様々な力を身につけ豊かな心を育んでいきます。
また遊びにはつながりを深める力もあります。地域のつながりの希薄化、親子関係における愛着の問題が多く指摘される現代では、人とのつながりを深めてくれる「遊び」をうまく活用することはとても大切です。
現代の子ども達の遊びは、電子ゲームに代表されるような、人を必要としない遊びが主流を占めています。遊ぶモノ(=おもちゃ)は豊かになる一方で、遊びそのものは貧しくなっているように感じられます。
私達トムテのおもちゃ箱は、より豊かな遊びを通して子どもたちの健やかな育ちを応援すると同時に、遊びを通じたつながり作りに取り組み、誰もが安心して暮らせる地域づくりを行っていきたいと思っています。
【回答者】代表 髙野 幸恵
アナログゲームから、人との繋がりや心の豊かさが出来上がり、家から一歩出てみたくなる、また行きたくなるような楽しさがあります。
一度参加したら分かるワクワク感、たくさんの方に体験して頂きたいです!
オモチャはただ楽しむだけでなく、親子の絆を強めたり、思い出として一生心に残るものです。
これからもたくさんの笑顔を生み出してもらえたらと思います。
メディアに負けない遊び。というのが良い!こども同士の横や縦のつながりが出来てこそ学びが生まれると共感します 。