北九州キャリア教育研究会
一般社会で楽しく熱心に働く職業人達を学校へ派遣し、子どもたちと「どんな職業か」や「働くということの意義」について語り合う『夢授業』を提供するプログラムを運営しています。
2013年に北九州市立萩原小学校で学校の先生方と企画して、この『夢授業』は始まりました。そして少しずつ評判は広がっていき、次第に他の学校からも依頼が来るようになり、2015年に「キャリア教育研究会」を発足。2019年現在、事務局メンバーは約50人体制、協力職業人は約800人となり、開催地域も北九州市以外に、鞍手町、直方市、田川市、飯塚市、中間市、遠賀郡、福岡市、大分へと広がっています。開催校も70校を越え、小学校以外にも中学校、高等学校でも開催しています。
活動内容について教えてください。
どのような思いで活動していますか。
会長木原は生命保険会社に勤めて、これまで16年間、様々なご家庭を訪問しライフプランニングに携わってきました。本当に色んなご家庭を見てきて、子どもたちの置かれている環境に対して、長年モヤモヤした気持ちを持ち続けていました。そんな課題意識から、10年前くらいから子どものためにできることはないだろうかと思い、ボランティアでイベントを開催したり、児童養護施設を退所する若者の支援に取り組むNPOの運営に携わっていました。活動を続けていく中で、大きく社会が変わっていく現在、その社会に併せて子どもたちの教育も変えていく必要があるのではないかと強く思うようになりました。そんな思いを抱いていたときにこの『夢授業』に出会いました。子どもたちにとって、職業人の大人たちとの真剣な対話を通じて、働くことの意味やその喜び知ることは、将来を考えるうえで非常に重要です。この活動を通じて、そんな考える機会をより多くの子どもたちに届けて行きたいと考えています。
そして将来的には、『夢授業』を受けた子どもたちが大人になって、今度は職業人として母校で『夢授業』を開催する。そんな循環を作っていきたいと思っています。今後の展望や目標を教えてください。
『夢授業』を改善していきながら、もっと実施回数も増やしていきたいと考えています。そのためには、この活動を支えるコアメンバーと参加する職業人を増やしていく必要があり、登録職業人2,000人を目指しています。そして、将来的には地区ごとに独立し、各地区のリーダーに事前の準備から当日の運営、その後のフォローまでを任せて行きたいと考えています。そうすることで、メンバーのコミットメントも増し、活動が広がりを持ち、さらに内容も充実していくと考えています。もっと言うと、学校単位で独立し運営できることが望ましく、地域の大人がその地域に住む子どもたちに伝えていくことに意味があると思っています。
また、学校教育をもっとオープンな場にして、先生も子どもたちも、もっといろいろなことにチャレンジできるような環境づくりに取り組みたいと考えています。ぜひ、新しい教育の形を北九州発で全国に広げていきたいと思っています。
本記事をご覧いただいている方々へのメッセージを自由にどうぞ。
活動に参加している社会人は、非常にやりがいを持って活動をしていただいていると感じています。実は『夢授業』は社会人教育の側面もあると考えています。職業人の皆さんには、単に自分の仕事を説明するのではなく、その職業を代表して話していただいています。そのためには、改めて自分の仕事にどんな意義ややりがいがあるのか、どこが面白いのかといったことを見つめ直すことになります。自分の仕事を見つめ直し、そして子どもたちと対話することで、仕事への使命感やモチベーションが高まっていくようです。このことは、職業人本人だけでなく、その職業人が働いている企業にも好影響を与えていると思います。
また、活動に参加した職業人が集まる交流会を学期ごとに開催しています。この交流会では、『夢授業』での説明方法の勉強をしたり、活動に参加した思いや感想を共有したりしています。活動や交流会を通じてできる職業人同士のネットワークは、それぞれの仕事や私生活にも大いに役立っているようです。
まずはご興味をもってください。そして、ご自身のできることからで構いませんのでお力をお貸しください。一緒に北九州市から日本を変えましょう。
【回答者】八幡区会事務局長 米田 昌生
子どもたちの未来のために大人も夢を持って夢を語る。
この活動が全国に広がり根付きますように応援しています。
子どもに輝く大人を見せて、早くあのような大人になりたいと思ってもらえるように伝えることはとても大切に思えます。
子どもたちが社会に生きる様々なひとたちと触れ合い、自分たちの将来に夢や希望を持てるような夢授業、頑張ってください。