ひむかかるた協会
活動内容について教えてください。
その軸となるのが毎年2月に開催される「ひむかかるた競技大会」です。宮崎市内の小学生、園児が一堂に集い、壮大な大会を繰り広げており、その様子は毎年テレビ、ラジオ、新聞などのメディアで取り上げられています。大会も2008年から回を重ねて2019年で12回目、宮崎県民の皆さんにもすっかり馴染み深いものになりました。また、かるたの普及については、その他にも県内の小学校・保育園によるかるた活動の取り組みへのサポート(訪問によるかるた指導、かるた作成のコンサルティング等)を行っています。
もう一つは、子どもたちが郷土を楽しく学ぶための「ひむかかるたを用いた教育活動」です。各学校でのかるた大会、郷土学習の教材としての活用、地元かるたの制作、かるたの知識を使ったフィールドワーク、さらにはグループワークの学習など、さまざまな教育方法の開発に取り組んでいます。
子どもたちはかるたに燃えて、そして宮崎を知ることに燃え、どんどん宮崎に愛着を感じるようになっています。
どのような思いで活動していますか。
でも、それを「勉強」として学ぶのはちょっと……。「ならば、かるたというゲームに親しみ、かるたで競うなかで、これを学んでもらおう!」と考え、活動に取り組んでいます。
子どもたちにかるたに楽しんでもらうこと。そこからふるさとみやざきを学ぶモチベーションを培ってもらうこと、そして宮崎大好きっ子になってもらうこと。これがひむかかるた協会の強い思いです。
今後の展望や目標を教えてください。
現在「ひむかかるた競技大会」と「かるたを使った郷土教育の開発」を軸に活動を展開していますが、この二つをさらに発展させていくのが目標です。
「ひむかかるた競技大会」については、現在、参加校の全県規模への拡大、参加各小学校全てでの予選会の開催(本年度は8校で予選会が開催されました)、園児部門の独立(現在、大会時に同時開催中)、大規模化に伴う大型会場への移転、あるいは複数会場開催などをめざしています。
「かるたを使った郷土教育の開発」では、すでに地域教育や学級経営においてさまざまな試みに取り組んできました。ひむかかるた新聞の作成、学校かるたや地域かるたの制作、校内かるた大会の実施と大会の児童によるプロデュース、文言・絵札をテーマにしたフィールドワークなどなど。中にはかるたからヒントを得て作った「ひむかかるた弁当」大会といった変わり種も。今後も次々とアイデアを考えていきます。また、これらに加えて、今後は児童向けの教育方法、高齢者施設の娯楽ツールとしての利用方法の模索などにも、その可能性を追究していきます。
本記事をご覧いただいている方々へのメッセージを自由にどうぞ。
みなさんも「ひむかかるた」をやってみませんか?宮崎の子どもなら夢中になることまちがいなしですよ。かるたはやればやるほど、ふるさと宮崎の知識が身につきます。遊びを重ねることで、遊ぶ=ゲームであることを超えて、みやざきの文化や歴史、地理、産業、気候、風土といった一連の知識が「おらがふるさと」として自然と浮かび上がってくる。すると不思議なことに、身の回りの宮崎が全く新しいものとして感じられるようになるんです。これは楽しい!
でも、この「不思議な現象」を、子どもだけに独占させておくのはもったいない。かるたは子どもたちの間だけでなく、家族や他の大人と遊ぶチャンスもあります。いや、大人どうしで楽しむことも。その時には、今度は大人が同じ「ふるさとみやざき」を経験する番になります。子どもたちで、家族で、大人どうしで……みんなでひむかかるたを楽しんで、みやざきを好きになってください!
【回答者】宮崎公立大学准教授 梅津 顕一郎
前年の大会を見学し、子供たちがかるたの文言をスラスラと唱えるのに感動しました。
郷土愛を育む「ひむかかるた」は、宮崎の未来を良い方向に変えていく力を持っています。
かるたを通じた郷土愛や地域アイデンティティの育成に努められているということで感銘を受けました。
地元宮崎のことを知ることが目的で作られたかるたですが、今では親子のコミュニケーションツールとしても我が家で大活躍しています!
また、一度大会に出た我が子はまた大会に出たいとも言っており、親として嬉しいのは、かるた大会の練習を重ねる中でうまくいかないときでも最後までがんばる気持ちや相手への思いやりを育めていることです。