一般社団法人 キャリアサポートクラブ

就労体験を通じて、発達障害等の子どもが社会と関わる力を高めるための活動

  • 中年女性

    障害特性を抱えてると、親も子も生活経験が狭まる中、こういった活動がもっと広がってくれたらと思います 。

  • 様々な体験を通して、障害のある子どもたちも社会へ繋がっていけるようこれからも頑張ってください。

    成人女性
  • 成人男性

    誰もが普通に暮らせる未来へ。障がいを個性と言えるそんな世の中に。
    頑張ってください!

ハンディキャップを抱える子どもの支援
団体プロフィール

一般社団法人 キャリアサポートクラブ

コミュニケーションや対人関係が苦手な中学生以上の学生で、社会参加や就労に向けて積極的に取り組む意欲のある方を支援し、自立のための健全な育成をはかることを目的とする非営利団体です。
主な内容 ①集団活動を通した、社会参加に必要な力や仲間意識の育成、②企業等と連携した、卒業後に向けた就労体験の機会の提供、③保護者および本人との面談による、家庭や学校生活に関する情報収集と相談、④保護者の支援および保護者同士の繋がり作りの支援、⑤地域社会の様々な年代の人との交流の促進です。ボランティア団体として活動後、平成26年に法人化し、現在、北九州市内で活動しています。



 

活動内容について教えてください。

私たちは、本人、保護者、市民・支援者、この3つの柱で活動しています。本人に対しては、余暇活動(調理、ゴルフ、ボウリング、魚釣り、切絵等)、企業と連携した就労体験を組み合わせて月1,2回活動しています。体験先は、会員の希望に合わせて、九州電力、七尾製菓、さとう自動車、とり肉のワールド、WEB関連会社、市立埋蔵文化財センター、いのちのたび博物館等多種多様です。前もって先方の担当者に参加者の特性を伝え、仕事時間や内容、配慮点を打ち合わせ、ちょっと頑張って達成感を味わえる仕事を準備していただいています。年1回、「ミツバチカフェ」を出店し、コーヒードリップや販売、接客も行っています。保護者向けに「あおぞら会」を毎月実施し、お互いの悩みや不安を話し合い、年2回は心理士を招いて会員外の保護者にも呼びかけ、楽しく話したり相談したりしています。市民・支援者、保護者向けに、年2回、企業関係者、産業医等を講師に招いて講演会を開催しています。今年度は、発達障害の特性と具体的な対応法を知ってもらうために、図解入り冊子を作り、無料配布しています。



 

どのような思いで活動していますか。

コミュニケーションや対人関係が苦手な方とその保護者は、一人ずつ特性や悩みが異なり、集団での過ごしづらさや生きづらさを感じています。一人一人に寄り添う支援をするため、年度初めや希望される時に個別面談を行い、ニーズや困っている点を聞いて、必要に応じ心理アセスメントや学校等との情報交換を行い支援方針を話し合っています。学校では周りとの違いを感じる会員が、当団体で自分のしたいことを出し合って活動計画を話し合い、仕事体験と余暇活動を組み合わせて毎月1,2回活動する中で、人との関わりや社会のルールを学び、仲間意識や達成感を感じられたらと願っています。学校では同年齢との関りが中心ですが、地域の様々な年代の色々な立場や職種の方と関わることにより、本人も気づかない良さや力を引き出してもらえ、「なぜうまくいったか」、「どこが難しかったか」を振り返ることで、自分自身の課題に気づき、次の取組に生かせるようにしています。地域や企業の発達障害への理解啓発および、本人の障害特性理解が必要であると言われますが、一人一人に合わせた体験活動の継続で、変化や成長を感じています。



 

今後の展望や目標を教えてください。

これまで、中学生や小学6年生から活動をしていましたが、早期からの取組の希望が多いことや、その必要性を感じるようになりました。次年度から、小学校段階からの取組を行いたいと考えています。小さい頃から、自分のことを知り、綿密な計画に基づいた体験時活動を通して、自分に合った社会との関わり方やコミュニケーションのとり方を学んでいけるような活動を提供したいと考えています。そのためには、これまで関わってくださった地域や企業の方々との繋がりを大切にし、取組結果の報告と反省をくり返しながら、取組の深化や連携先の広がりに向けて働き掛けていきたいと考えています。発達障害の方が働く企業からの要請があれば、一緒にその方の課題解決のための取組を考え、一人でも多くの方が安心して、職場で力を発揮できるよう関わりたいと思います。また、保護者が精神健康面で安定して子育てができるよう、行政や心理士、精神科医等と連携しながら、保護者支援の充実をさらに図りたいと考えています。そのために小・中学校の保護者会等へ先輩保護者が出向いて一緒に語り合う等の工夫をして、現在「あおぞら会」で行っている保護者同士の支え合いの広がりを図っていきたいです。




 

本記事をご覧いただいている方々へのメッセージを自由にどうぞ。

当団体は、非営利でスタッフは全員ボランティアで休日を中心に活動しているため、十分な活動時間はとれていません。しかし、九電みらい財団からの助成や、九州電力をはじめとする多くの企業や公共施設、地域の方々のご協力のおかげで、参加する一人一人がドキドキしながらもチャレンジして、「できた」「やれた」など喜びを感じる活動を提供できていると思っています。本年度は、延べ46人の子ども達が就労体験に参加しました。また、ふだん聞くことのできない東京の企業での発達障害の方への対応や、産業医から見た発達障害の課題と対応に関する講話など、質の高い講演会を開催することができました。講演会には130名の参加がありました。多くの方に応援していただき、コミュニケーションや対人関係の苦手な子どもたちが、地域や社会で活躍し、次世代を担う大人に成長していって欲しいと願っています。


【回答者】代表 樋口 陽子

活動報告一覧へ戻る