NPO法人 子育てネットワークわ・わ・わ

お母さんと地域を“わ”でつなぎ、子育てしやすいみらいへ

  • 中年男性

    地域コミュニテイーが減少している中、地域をまきこんでの子育ては絶対に必要です 。

  • 子育て経験者や保育士さんや色んな職業の方の子供を大事に育てたいって気持ちがママ達のそばに寄り添ってるのがすごいと思いました 。

    成人女性
  • 中年女性

    子どもには地域の多くの人の価値観に触れながら、育ってほしいと思っています。

  • 今日、子育てほど大切な働きはないと思っています。小さな働きを広げ、出会いをひろげていくことを応援します。

    中年男性
子育て支援
2017年12月、熊本県天草市で行われた子育てフェスティバル「わわわの日」には、家族連れなど1,000名以上が集まって大賑わい。このイベントを主催した「NPO法人 子育てネットワークわ・わ・わ(話・和・輪)」の理事長、澤田福美さんに、活動についてお話を伺った。
「子育てネットワーク・わ・わ」ではどのような活動をしていますか?

子育て中のお母さんの声を聴き、地域とつなげる

「子育てネットワークわ・わ・わ」の理事長を務める澤田福美さん

「子育てネットワークわ・わ・わ」の理事長を務める澤田福美さん

私たちは、子育て中のお母さんたちが一人で悩みを抱え込まないよう、相談に乗ったり悩みを解決するための支援を行っています。支援にあたっては、必要に応じて行政や他の団体とも連携のうえ、地域ぐるみでお母さんたちをサポートできるよう取り組んでいます。
私たちの一番の使命は「お母さんと地域をつなぐ」こと。団体名の「わ・わ・わ」には、「話して、和んで、輪になろう!」という想いを込めています。
今日のような子育てフェスティバル「わわわの日」は年1回開催しており、9回目を迎えました。今回は、子どもたちが遊べるゲームコーナーやステージでのプログラムがあるほか、保健師や助産師などの専門家がいる子育て相談のブース、食育や妊婦体験などの学びのブース、雑貨や飲食物の販売ブースを設置。高校や大学、看護学校の学生さんたちにもボランティアとして多数お手伝いいただいています。

「子育てネットワーク・わ・わ」の活動を始めたきっかけを教えてください。

子育て支援に関する情報を、より多くの人に届けたい

天草市は2006年に2市8町が合併して誕生しました。合併に伴い、天草市の中で人口が集中するようになり、地域間の人口格差が広がっています。天草には転勤で来ている方も多く、地域のつながりが薄い所が増えたためか、一人親家庭の増加や子どもの虐待などの問題を抱えるようになりました。
さらには、天草市にもさまざまな子育て支援制度があるものの、子育て当事者に情報が届きにくく、結果として利活用されていない状況がありました。そこで、子育てに関する情報を、必要としている人たちにしっかり届けられる情報誌を作ろう、と有志が集まったことがきっかけです。その後、天草地域の子育て支援センターや子育て支援団体、子育てサークルなど、民間だけでなく行政からもメンバーが集まって、2007年12月に「子育てネットワークわ・わ・わ」の活動が始まりました。

天草での子育てにおける課題やそれに対する支援について教えてください。

それぞれのお母さんが必要とするサポートを

天草は保育園にお子さんを預けて働いているお母さんが多いのですが、病児・病後児保育の体制は十分整備されているとは言えません。急な対応が必要になったときなど、一人で何とかしなければと頑張ってしまうお母さんも多いようです。また、子どもを預けられる人が周りにいなくて思うように外出できず、困っているお母さんもたくさんいます。
そんなお母さん方に「ひとりで悩まないで、私たちと一緒にできることを考えましょう」と伝えていくのが私たちの活動です。「わ・わ・わ」の支援員は、一般の主婦の方がほとんどですが、研修を受けて養成された、いわば“子育て支援のエキスパート”。それぞれのお母さんのニーズに合わせた、オーダーメイドの支援を行っています。

長い間活動を続けてきた中で、何か変化はありましたか?

地域の方々がお母さんたちへ声をかけるように

「お母さんと地域をつなぐ」ことを目指して10年間活動するうちに、地域の方々にも子育て支援の大切さを解っていただけるようになり、地域の方々がお母さんへ声をかけることが増えてきたように感じています。お母さんがいろいろな地域の方と話す機会が増え、その中に「この人なら話せる」と思える出会いがあれば嬉しいです。
普段から「となりの子もしあわせに」とよく言っていますが、そういう気持ちが広がれば地域全体がどんどん良くなっていくと思います。育児は大変なことも少なくありませんが、それでもお母さんたちには「母親になってよかった」と思えるような子育て期間を過ごしていただきたいです。

今後の活動について、展望や目標を教えてください。

支援をより広い範囲に届け、誰もが相談しやすい場へ

私たちの活動拠点は本渡地区ですが、車で1時間以上かかるような離れた地域からお母さんたちにお越しいただくのは大変です。今後は私たちがそういった地域へ出向いて、支援を行いたいと考えています。
また、2017年4月から「ママの輪大作戦」を展開して、地元商店街のイベントや毎月開催されている「島んもんマルシェ」で情報ブースを出すようになりました。その結果、子育て中のお母さんだけでなく、妊婦さんが立ち寄ったり、おばあちゃんから孫のことや娘の里帰り出産について相談を受けるようになりました。会場ではさらに、幅広い年代の方々に天草での子育てに関するアンケートをお願いして、さまざまな意見を聴くこともできています。
子育て中のお母さんはもちろん、誰にでも「子育てのことは『わ・わ・わ』に聞いてみよう」と思っていただけるようになりたいですね。



 

お母さんと地域を“わ”でつなぎ、子育てしやすいみらいへ

育児に関する情報は、書籍や雑誌、インターネットなどにあふれ、豊富に手に入る現代。しかしそれは、子育て中のお母さんにとって必ずしもタイムリーな手助けになるとは限らない。「わ・わ・わ」の取組みは、困難に向き合いながら日々子育てに奮闘しているお母さんたちの日常を支えている。10年の歳月をかけて着実に天草に根付いてきた支援の“わ”は、この先もさらに広がっていくだろう。
団体プロフィール

NPO法人 子育てネットワークわ・わ・わ(話・和・輪)

2007年12月に発足し、子育てに関する情報の交換・共有と子育て支援の充実を目指して活動を開始。2012年にNPO法人化。天草市本渡地区にある「わわわのおうち」を拠点に、親子や地域の人々が集う場を設けたり、子育ての悩みにメールや電話・面談で応じたりと、子育て中のお母さんのニーズに合わせたサポートを提供。行政や民間の子育て支援団体とも連携し、お母さんはもちろん、地域の幅広い年代の人々と積極的に関わっている。

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