子育て支援
宮崎県延岡市で働く男性保育士たちが結成した「延岡男星保育士団」は、イベント「ぱぱパーク」などを通して家族でのふれあいや遊びの場を提供する、これまで九州にはなかった子育て応援グループだ。現役保育士ならではの視点と発想で組み立てるイベントが、各所から注目を集めている「延岡男星保育士団」。代表の国友弾さんにお話をうかがった。
「延岡男星保育士団」とはどのような団体ですか?
男性保育士による「子育て応援団」
メンバーは延岡市内と日向市で働く男性保育士など13名で構成されています。近年は母親だけのひとり親家庭も増えており、保育園における男性保育士は先生だけでなく“父親”としての役割も担っていますが、一方でこれまで女性の職場だった保育の現場ではまだまだ男性は肩身が狭いのも現実です。そんな中で、男性保育士の輪を作って父親の子育て支援を行いたいと思い、3年前に開催された延岡市保育協議会のイベントをきっかけに立ち上げました。名称の「男星」には、“子育てを通じて、お父さんにもっと輝いてほしい”という願いが込められています。
メンバーでの会議やダンス、出し物の練習は、仕事が終わった夜間に行っています。イベント前などは週に1、2回ほど集まることもあります。延岡市内での主催イベントは年5回で、他にも宮崎県内や他県からも子育て支援イベントへの出演依頼があれば参加しています。毎週末にイベントが詰まっていることも多く、メンバーは仕事と保育士団の活動の両立に苦労しています。
メンバーでの会議やダンス、出し物の練習は、仕事が終わった夜間に行っています。イベント前などは週に1、2回ほど集まることもあります。延岡市内での主催イベントは年5回で、他にも宮崎県内や他県からも子育て支援イベントへの出演依頼があれば参加しています。毎週末にイベントが詰まっていることも多く、メンバーは仕事と保育士団の活動の両立に苦労しています。
「ぱぱパーク」とはどのような内容のイベントですか?
親子で楽しく参加できるよう、毎回趣向の異なる内容で
今年度は、「ぱぱパーク~子育てランド~」というひとつのテーマパークの中に、イリュージョンエリア、サバイバルエリア、アドベンチャーエリアなどに分かれたエリアがあるという設定です。イベント1回につき1エリアをテーマに内容を組み立て、遊んだり体験してもらうという趣向で、毎回来ても飽きずに楽しんでもらえる内容にしています。
多くの回で取り入れている“親子ダンス”は、男性保育士ならではの選曲やダイナミックな振り付けで人気があり、自分たちも楽しみながら子どもたちを巻き込めるように工夫しています。ダンスや遊びでは、参加した親が家庭でも実践できるようなものになるように意識していますね。イベントに参加して楽しかったね、だけでは終わらないように、家庭でも再現できるような遊びを提案しています。
多くの回で取り入れている“親子ダンス”は、男性保育士ならではの選曲やダイナミックな振り付けで人気があり、自分たちも楽しみながら子どもたちを巻き込めるように工夫しています。ダンスや遊びでは、参加した親が家庭でも実践できるようなものになるように意識していますね。イベントに参加して楽しかったね、だけでは終わらないように、家庭でも再現できるような遊びを提案しています。
父親の育児参加への課題や、その解決方法は?
短い時間でも大丈夫。子どもとふれあう楽しさを感じてほしい
私自身も2人の子どもがいますし、メンバーにも子育て中の父親がいます。メンバーでも仕事だけでなく家庭の事情などで練習に参加できなかったりすることもあるので、仕事をしながら父親が子育てに積極的に関わる大変さは私たち自身も実感しています。父親の参加を呼び掛けているぱぱパークでも実際はまだまだ母親と子どもだけでの参加が多いのも現状です。
だからこそ、お父さんたちが気軽に参加でき、家庭でも実践できるような遊びやダンスを伝えていくことが大切だと思います。読み聞かせでも、男性の声で読んだ方が臨場感の出るストーリーもありますし、まずは取り入れやすいことから実践してもらい、その後に参加者の父親同士をつなげるような仕組みづくりや交流会などが実施できれば、より良い活動になると思います。「今日は子どもとぱぱパークに出掛けてくるから、ママはゆっくりしててね」と言える父親が増えてほしいですね。
だからこそ、お父さんたちが気軽に参加でき、家庭でも実践できるような遊びやダンスを伝えていくことが大切だと思います。読み聞かせでも、男性の声で読んだ方が臨場感の出るストーリーもありますし、まずは取り入れやすいことから実践してもらい、その後に参加者の父親同士をつなげるような仕組みづくりや交流会などが実施できれば、より良い活動になると思います。「今日は子どもとぱぱパークに出掛けてくるから、ママはゆっくりしててね」と言える父親が増えてほしいですね。
活動の中での感じる喜びややりがいなどは?
取り組みが認知され、活動の幅が広がってきた
イベントを行う上で気をつけているのは、初めて参加してくれた子どもをどう惹きつけるか、そして遊びやダンスの中でどうやって親子のふれあいを働きかけていくかです。私たちのイベントは見てもらうものではなく“参加型”。どうすれば子どもたちが興味を示し参加してくれるかを常に考えています。イベント終了後は毎回参加者にアンケートを取り、その意見を次回の内容に反映させるようにしています。自分たちが楽しめることを元気よく表現すると、子どもたちが反応して笑顔で楽しんでくれるので、その様子に私たちも満足感や充実感を感じていますね。子どもたちからパワーをもらうことで、それが「次も楽しませよう!」というモチベーションになっています。
私たちのこうした取り組みが次第に認められてきて、最近は他の団体から相談を持ちかけられたり、イベントに呼ばれたりすることも多くなってきました。また、先日「第11回よみうり子育て応援団大賞」で奨励賞をいただいたことも嬉しかったですね。
私たちのこうした取り組みが次第に認められてきて、最近は他の団体から相談を持ちかけられたり、イベントに呼ばれたりすることも多くなってきました。また、先日「第11回よみうり子育て応援団大賞」で奨励賞をいただいたことも嬉しかったですね。
今後の活動の展望や目標は?
男性保育士の知識や経験を活かした活動を継続したい
延岡市内だけでなく県内の他自治体や他県からのイベント出演の依頼も増えてきたのですが、どうしても週末に集中するのですべてに応えられなかったり、平日は通常の勤務があるのでイベントができないという悩みもあります。また私たちが主催するイベントは参加費無料のものが多いので、この活動を継続するための財源をどうするかという課題があります。
いろいろと悩みや課題はありますが、少しずつ活動の幅が広がってきているので、今後はイベントの中でさりげなく「お子さんに絵本を読み聞かせてくださいね」など、子育てに関する知識をさりげなく伝えられるようなシチュエーションも考えていきたいです。そのためには、メンバー個人個人がもっと知識を蓄え、スキルアップしていくことが必要ですね。またもっと男性保育士の仲間を増やし、連携できれば良いなとも思っています。
いろいろと悩みや課題はありますが、少しずつ活動の幅が広がってきているので、今後はイベントの中でさりげなく「お子さんに絵本を読み聞かせてくださいね」など、子育てに関する知識をさりげなく伝えられるようなシチュエーションも考えていきたいです。そのためには、メンバー個人個人がもっと知識を蓄え、スキルアップしていくことが必要ですね。またもっと男性保育士の仲間を増やし、連携できれば良いなとも思っています。
子どもとパパのふれあいで、もっと絆が深まるみらいを夢見て
女性の社会進出が求められる今、男性が子育てに積極的に関わっていく頻度は増えてきた。しかし、仕事との両立ができない、子どもとどう接していいかわからないなど悩む父親が多いのも現実だ。保育士という、これまでは女性の仕事とされていた世界に飛び込み、日々さまざまな経験をしている男性保育士だからこそ伝えられるものがある――。”子育てに参加することの意義や楽しさをもっと多くのお父さんに知ってほしい”。「延岡男星保育士団」は、イベントを通して親子がもっと絆が深まるみらいを描こうとしている。
団体プロフィール
「延岡男星保育士団」
2014年5月に延岡市保育協議会が開催したイベントをきっかけに結成された、男性保育士の団体。延岡を中心に、子育てを応援し、特に父親が子どもと遊べるようにと、親子で参加できる楽しいイベントを実施している。活動の様子はブログやFacebookでもこまめに発信中。
父親が子供と一緒に入れる時間は子育てが終わってしまえばほんの一瞬です。お父さんたちがこのかけがえのない時間を少しでも長く過ごせる社会になる様、頑張って下さい。
まだまだ少ない男性保育士さんですが、子供にとっても地域にとってもお母さんにとっても、男性が元気に積極的に関わってくれるのはとても嬉しいことです!これからの益々の活躍にとても期待して応援しています!
お父さん達に積極的に、そして日常的に簡単に育児に関われる機会を増やして欲しいですね!頑張ってください 。
仕事にかまけてなかなか子どもたちと遊ぶことができません。貴重な機会の提供、大変でしょうけど、今後も継続してください。