NPO法人 あぽり

ママたちのストレスケアで、子育てを楽しめるみらいへ

  • 成人女性

    孤独な子育てではなく、地域で温かい繋がりのある中で、大人も子どもも安心した生活ができる社会を目指してください。

  • 子育てはお母さんの元気があってこそと思いますので、活動を通して育児に悩んでいるお母さんを助けてあげてほしいです。

    成人男性
  • 中年女性

    一番の基本は、子育ての第一歩でママ達が癒されながら学ぶ場所がある、話せる場所があることだと思います。今後とも、ご活躍頂きますよう応援させていただきます。

  • 育児とは、楽しいばかりではありません。お母さんも世の中と繋がりたい、息抜きしたい簡単なようで難しい・・・。お母さんと赤ちゃんの幸せのための活動を応援します。

    成人女性
子育て支援
熊本県菊池郡大津町の閑静な住宅街にある「あぽり美咲野広場」。ここでは、「赤ちゃんと一緒にね!ベビーマッサージとおしゃべり会」が行われ、手作りお菓子のいい香りに満たされた室内に、ベビーマッサージをするママたちの楽しそうな笑い声があふれていた。この活動を主催している「NPO法人あぽり」の理事長、堀泉さんに、活動内容や活動への思いについてお話を伺った。
「赤ちゃんと一緒にね!ベビーマッサージとおしゃべり会」は、どのような活動ですか?

ベビーマッサージを通じて、ママたちの仲間作りをサポート

「NPO法人あぽり」の理事長を務める堀 泉さん

「NPO法人あぽり」の理事長を務める堀 泉さん

「赤ちゃんと一緒にね!ベビーマッサージとおしゃべり会」は、生後6か月までの第一子のママと赤ちゃんを対象とした講座で、平成29年度は年3回開催しています。毎回、助産師からベビーマッサージの講習を受け、雑穀茶と手作りお菓子を囲んでのティータイム、その後おしゃべりや赤ちゃんとのふれあい遊びなどでママ同士の交流を深めています。
イベントの告知は、町の広報誌やSNS、保健師さんへの声かけなどで行っていますが、口コミで評判が広がり、早いうちからキャンセル待ちの状態です。マッサージはあくまでもコミュニケーションツールの一つ。20代~40代と幅広い年齢層のママたちも、週1日を3回、同じママたちといろいろなテーマでおしゃべりすることで、ママ同士がネットワークを構築し、幼稚園、小学校など、地域で長いつきあいができる仲間づくりを目指しています。

子育て支援事業を始めたきっかけを教えてください。

1人でも気軽に立ち寄れるような、“ママのための場所”を作りたい

私が子育ての真っただ中だった2000年頃は、地域の子育て支援センターがありましたが、そこには特定のママ友グループができあがっていて、なんとなく1人では行きづらい雰囲気があり、孤独な気持ちになったことや、「行政の子育て支援とママたちのニーズが微妙に合っていない」と感じたことを覚えています。
そういった自分自身の経験をきっかけに、ママたちが1人でも気軽に立ち寄れて、のんびりお茶を飲みながら、おしゃべりできる場を作りたいと考え始めるようになりました。
いろんな人に「おしゃべりできる場」の大切さを話し、ご協力をいただき、試行錯誤しているうちに、2005年に空き店舗となっていた今の場所をお借りすることが出来ました。“ママのための場所”で、赤ちゃんと母親という2人だけの世界を外に広げ気分転換することで、子育てや家族、夫婦の改善にもメリットがあると考えています。

現代の子育てにおいて、何が課題だと考えますか。

母親が1人で抱え込む子育て

昨今、「イクメン」や父親の育休取得への理解が広がってきてはいるものの、まだまだ浸透しておらず、母親がたった1人で子育てを担っていることが多いのが現状です。新米ママは、出産や子育てによって生活ががらりと一変し、自由な時間を失うとともに、孤独やストレスを感じてしまいがちです。その結果、何もかも1人で抱え込んでしまい、産後うつになったり、ネグレクトや虐待などに発展するケースも増えています。
そんな時、ママたちがいつでも気軽に立ち寄れる場があれば、子育てや家庭の悩みや喜び、不安などを話し、聴いてもらう事でストレス発散ができると考えました。一過性のイベントだとその場限りのお付き合いで関係が途切れてしまいがちですが、私たちが運営している「あぽり美咲野広場」は、毎週月・水・木・金の10時~15時オープンしており、その間、スタッフが常駐しています。だから、いつでも子どもと一緒に立ち寄る事ができますし、いつもの話し相手がいることでママたちの心も軽くなるはずです。ちょっと辛いなぁと思う時やお散歩の途中に気軽に立ち寄っていただけるような、ほっとできる、実家のような場であり続けたいと考えています。

活動中に心掛けていることは何ですか?

ママたちの話を聴いて、共感すること

ママたちの話を「聴くことに徹する」ように心掛けています。
現代はネットで検索すれば子育ての情報はあふれるほど得られるので、ママたちはたくさんの情報を持っています。しかし、ネットの情報だけでは解決できない子育ての悩みはたくさんあります。そんな時に私たちができることは、ママの気持ちを聴いてあげて、共感してあげることです。「夫が育児に協力してくれない」「赤ちゃんが寝てくれない」など、ママたちの悩みは、私たちが子育てしていた頃の悩みとだいたい同じです。アドバイスを求められることも多いですが、そのときは指導するのではなく、「私はこんなことを試してみたよ」など、自分の体験を話すようにしています。「話を聴いてもらって、すっきりしました」と言ってくれる方も多く、共感共有してもらうことは、ストレス緩和に効果的なようです。

子育て支援活動を通じて、伝えたいことはありますか?

子育てによって広がる世界を楽しんで

「あぽり美咲野広場」は、小学校の通学路に位置していることから、小さい頃にここに通っていた子どもたちが、「あぽり~」と言って手を振ってくれたり、時々、立ち寄ってくれるので、成長を見守ることができます。子どもたちは、幼い頃に母親とともに一緒にここで過ごした時間を鮮明に覚えていて、楽しかった記憶とともに親への感謝の思いが芽生えるようです。
子育てとは本来楽しいもの。子どもがいて初めて体験できる世界があります。私たちの子育て支援活動を通じてママたちが、かけがえのない子育ての時期を楽しんでもらえるきっかけになれたら嬉しいです。



 

ママたちのストレスケアで、子育てを楽しめるみらいへ

「ベビーマッサージとおしゃべり会」では、ママたちの楽しそうな笑い声につられるように、赤ちゃんたちがニコニコと笑顔になったことが印象的だった。どんな時代も、ママが笑顔であることは、子どもの心を幸せにする。
“ママ一年生”のときは、思い通りにならないことだらけで途方に暮れてしまうものだが、この息抜きの場があるおかげで、そんなストレスを抱えた数多くのママが救われているようだ。ママたちが子育てを楽しめるみらいになるように願いつつ、今日も「NPO法人あぽり」はたくさんのママたちを優しく温かく迎え入れている。
団体プロフィール

NPO法人あぽり

2003年に、子育てサポートを目的として発足。2005年6月に菊池郡大津町美咲野に拠点を構え、毎週、月・水・木・金の10時~15時にスタッフが常駐。ベビーマッサージ以外にも、絵本の読み聞かせやお話会、フルートコンサート、クッキー作りやお菓子教室、パン教室など、多岐にわたるイベントを開催し、子育てママが気軽に足を運ぶ場を提供している。

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