開成っ子はぐくみ会

フレンドリーな公民館と子どもたちに芽吹く地域のみらい

  • 成人女性

    私も幼いころ公民館でたくさんの思い出を作りました。地域の子供たちにとって公民館は憩いの場だと思います。これからも子供たちに素敵な環境を与えてください!

  • 転勤で佐賀に一度住んでいました。懐かしい思いです。子ども達と地域(公民館)が繋がる、子ども達の笑顔が素敵です。

    中年女性
  • 中年男性

    公民館が楽しい居場所の子供もいるはずです。応援してます!

  • 私も地域で子ども会や育成会の活動をしています。
    地域で育つ子ども達への思い…とても通じるところがあります。お互い頑張りましょう!

    中年女性
さまざまな体験を通じた次世代育成
5,4,3,2,1!点灯!
子どもから大人まで、歓声がわあっと広がり、佐賀市の開成公民館は美しいイルミネーションの光と、地域の方々の和やかな笑顔に包まれた。
この活動を主催している「開成っ子はぐくみ会」の代表、江原新子さんに活動に込めた思いや日頃の取組みについてお話を伺いました。
開成っ子はぐくみ会ではどんな活動をされていますか?

子どもたちが活躍する場と、地域の方々が集うきっかけづくり

今日のイルミネーションイベントでは、事前に子どもたちが飾りを作ったほか、当日のカウントダウンや来場者の受付も子どもたちが担当してくれるなど、子どもたちが自ら参加して、自分たちの手で作り上げる形を目指しています。昨年3月に開催した「ふれあいカフェ」では、子どもたちがカフェの店員となって、地域の方々をもてなしました。本格的なカフェのユニフォームが嬉しかったようで、楽しそうに料理を運んでいましたし、寄せられたクレームへも、子どもたちだけで対処していました。
 
そのほか、夏祭りでは子どもたちが主役となるような場を設けたり、2ストローク運動(あいさつに加え、もう一言、言葉を交わすあいさつ運動)を行うなど、子どもたちを中心に、地域の人が交流できるきっかけもつくっています。

「開成っ子はぐくみ会」を作ったきっかけは?

組織と組織、子どもと子どもをつなげたい

校区には子どもに関わっている組織が幾つかあります。PTAや子ども会、青少年健全育成協議会などですね。これらの団体は行政の所管もあって縦割り的な構造になっているのですが、これらが負担の少ないゆるやかな横のつながりを持ち、お互いにできることを協力できる体制を作ることで縦割りの隙間をうめたいと思っていました。そこに2012年、佐賀市が始めた地域元気アップ事業という市民提案型の公募事業があり、採択されて始まったのがきっかけです。
 
また、年齢の異なる子どもたちがつながりを持ち続けられれば、という気持ちもありました。活動に協力してくれる高校生がいるのですが、今の小学生たちも大きくなったらあの高校生のように地域を手伝う気持ちを持ってほしいなぁと。そのために高校生と小学生が一緒に活動するような場が必要でした。
子どもに関わる組織をゆるやかにつなげ、また異なる年齢の子ども同士をつなげる場としてこの「開成っ子はぐくみ会」が生まれました。

「開成っ子はぐくみ会」の活動で手応えを感じるのはどんな時?

地域の人が、自然と子どもたちの円の中に、そしてみんな笑顔に

「ふれあいカフェ」や夏祭りに子どもが参加することで、地域の大人の参加者も増え、地域が元気になっていると感じる時ですね。「ふれあいカフェ」では公民館をカフェにして子どもが地域の人をもてなします。子どもを中心にした活動なので、地域の大人も参加のハードルが低くなり、地域活動が徐々に活発になってきたと感じています。

子どもを対象としたイベントが増えたことで、保護者が公民館に足を運ぶきっかけになり、地域活動に関心を持つ人もいらっしゃいます。今日のイルミネーションでは、公民館で開催されている「男の料理教室」の参加者が、ぜんざいを作って振る舞ってくれました。ぜんざいは大盛況で、すぐに完売となり、作った本人たちは満面の笑み。きっと次のイベントでも協力してくれたり、他の地域行事にもつながっていく予感がします。

今後も活動を継続していく上での課題は?

次の世代に託していく、環をつくること

「開成っ子はぐくみ会」は、現在は私が代表をしていますが、この活動を引っぱって行く人材を育てることが重要です。もちろん私もサポートしながら、地域で眠っている若い人材が中心になって、この活動を次の世代へと継続していってほしいですね。
 
地域活動で最も関わりが薄いのは、高校生から大学生の子どもを持つ親世代。子育てに一段落したものの、仕事が忙しい世代でもありますが、地域に知り合いを作り、地域の活動に目をむけ、いずれ活動に参加してくれると嬉しいです。そのためには、日頃、地域活動に関わっていない人も、1年に1~2度でも地域の活動に参加したくなるような雰囲気作りや声かけをしていく必要があります。
 
子どもたちにしても、小学生までは地域活動に参加していても、小学校を卒業し、中学、高校と進学するにつれ、だんだん地域から遠ざかっていきます。ですから、その中で自発的に地域活動に参加してくれる子を小学生のうちから育てていくことも必要だと感じています。

活動を通じて、どんな大人へと育ってほしいですか?

開成校区を自分のふるさととして愛着をもってほしい

子どもたちが大人になっていく中で、いろんなつながりを持って育ってほしいですね。親子のつながり、おじちゃんおばあちゃんとのつながり、近所の人とのつながり、年齢の異なる子とのつながり。そのつながりが、子どもたちを豊かにしてくれるはずです。
 
小さい時から地域活動に参加していると、地域のことをよく知るようになります。地域の知り合いも増え、地域に愛着を持って育ちます。開成校区をふるさとと感じながら育った子どもは、大人になった時、地域の継承者として、地域活動に参加してくれるでしょう。そして、その次の世代の子どもたちのためにも活動をしてくれると信じています。それに、子どもが中心だと、周りの人もつながりやすいんです。子どもが地域で活動しているから、その保護者が一緒に出てくるようになり、それがきっかけで地域の人と知り合いになることも少なくない。
 
このように「開成っ子はぐくみ会」の活動は、子どもたちと地域をつなげることであり、やがては地域の未来につながる活動でもあります。そうやって地域と子どもと未来を、環のようにつなげていきたいです。

 
 
 
 

フレンドリーな公民館と子どもたちに芽吹く地域のみらい

夕方になると、ひっきりなしに子どもが出入りしていく開成公民館。
慣れた手つきでランドセルを棚に置くと、友達と一緒に遊んだり勉強したり。
普段から子どもたちの行き慣れた居場所となっているフレンドリーな公民館には、イベントの手伝いに来た高校生の姿も。「中1のころから手伝っています。地域に育ててもらった恩があるので、それを返したくて。」と語るその子は来年は受験生。それでも「時間のある時には手伝いを続けたい」と話す、その子の目には江原代表の想いが芽吹いていた。
子どもたちの中に根づきつつある「開成っ子はぐくみ会」の活動。地域で育まれた子どもたちが創る、明るいみらいに期待が膨らむ。
団体プロフィール

開成っ子はぐくみ会

2012年の地域元気アップ事業の市民提案型事業に採択。PTA、子ども会、青少年健全育成協議会と横断的に連携して、佐賀市の開成公民館を拠点に、子どもを中心に地域を一体にする活動を行う。
子どもたちが地域住民をもてなす「ふれあいカフェ」やクリスマスイルミネーションなどで、子どもたちと地域住民が交流している。活動の中心は小学生だが、中学生がサンタクロースに扮して小さな子どものいる家庭にプレゼントを届けたり、小学生の活動を指導する高校生がいたりするなど、年齢の異なる子どもたち同士の交流もあり、子どもたちの健全育成に加え、次世代の地域人材の育成にもつなげている。

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