山鹿もてなしたい

子どもたちの“ふるさと自慢”に宿る山鹿のみらい

  • 成人女性

    山鹿の子どもたちが山鹿を周りの人に自慢し、その流れが日本全国に広がって、それぞれが住む街や日本を自分の言葉で自慢、紹介できるようになったらいいなと思いました!がんばってください。

  • 見たことは無いのですが、文章を読んだだけで、地元愛がすごい良い団体だなと感じました!これからも一生懸命頑張ってください!

    少年
  • 中年女性

    子どもたちが自分の故郷に誇りを持てる素敵な活動ですね。継続していくことは大変だと思いますが、応援しています。頑張って下さい!

  • 若い力で山鹿の未来を盛り上げてください!小学生・中学生が明日の山鹿を育てていくと思います!

    中年男性
郷土教育を通じた次世代育成
雨乞い踊りやカッパの伝説など、ときに巧みな熊本弁を交えながら子どもたちが発表する“ふるさと自慢”が、ステージを見守る観客たちの笑いを誘う。
2016年12月に山鹿市民交流センターで行われた「子ども達が語る ふる里自慢」を主催した「山鹿もてなしたい」の代表、山本博さんに活動についてお話を伺った。
「山鹿もてなしたい」はどのような活動をされていますか?

ふるさとの自慢探しを盛り上げて、山鹿を元気な町へ

「山鹿もてなしたい」の目的は、山鹿を元気にすること、来てくれた人に喜んでもらうこと、市民が誇れる町にすること。“ふるさと自慢”をキーワードに、地元の良いところを見つける手助けをするのが私たちの役割です。

たとえば、山鹿には現役の芝居小屋「八千代座」があります。歌舞伎や狂言などの芸能文化が深く根付いていて、子ども向けの歌舞伎教室まであるんです。山鹿市は人口5万人ほどの小さな町なのに、これってすごいでしょう? そんな芸能文化を学んでいる子どもたちを見てもらいたくて、毎月2回、子ども歌舞伎や民謡を披露する「おもてなし子ども公演」を行っています。

ほかにも、高校生が町づくりイベントの企画運営をする「四高会議」や、大人が1年かけて山鹿の魅力探しをする「山鹿宝探し わくわく塾」など、大人も子どもも楽しめる町おこしの活動を行っています。

「山鹿もてなしたい」をつくったきっかけは?

100年後にも誇れる、魅力あふれる町をつくりたい

私は千葉生まれの千葉育ち。14年前、妻の実家がある山鹿市に引っ越してきました。山鹿は歴史遺産や文化財に恵まれ、温泉も人もあたたかい。露天風呂で長湯を楽しみながら星空を眺めていると、都会であくせくしていた自分がバカみたいに思えてきたんです。「俺は山鹿に骨を埋める。自分の魂はこの地に100年後も残る」、そう思うと、もっと良い町にしたいという気持ちが自分の中に芽生えてきました。
 
そして4年前、山鹿の魅力を盛り込んだガイドブックを作って仲間に見せたら、山鹿育ちの彼らでさえ驚くような発見があったりして、もっと色々あるんじゃないかと盛り上がったんです。それから仲間が7人に増え、「7人の侍だ!」と意気揚々と立ち上げたのが「山鹿もてなしたい」の始まりです。

活動を始めてから、地域の人たちに変化はありましたか?

教育委員会や学校を巻き込んで、地域一体となって町おこし

結成当時は、県外出身者の私に対して「何か金儲けでも企んでいるのでは」という声もありました。でも、「町おこしをしたい」という一心で活動を続けるうちに仲間が増え、教育委員会や学校の先生方も協力してくれるように。今回のイベントも師走で忙しい時期だというのに、閉校を目前に控えた学校までもが参加してくれて、ありがたい限りです。
 
このイベントの後援団体のひとつに、各校区の区長さんなどで構成される「山鹿市嘱託員連合会」が入っています。これは、「山鹿もてなしたい」の結成メンバー7人のうち、5人が県外出身者だと知った校区長さんが「知らないふりはできない」と賛同してくれた結果です。それに今日も子どもたちの発表を見に、たくさんの地域の方々がお越しになられています。
 
7人から始まった「山鹿もてなしたい」も今では会員数は約170人。活動の広がりを実感しています。

子どもたちの反応はどうですか?

目を輝かせて“ふるさと自慢”を披露する子どもたち

子どもたちは、コツを少し教えてあげるだけで、すぐにふるさとの自慢を見つけてくるんです。毎年続けることによって、子どものころから地域の魅力を見つける目を育むことができたら、こんなに素晴らしい町おこしはないんじゃないかと思います。
 
私たち大人が目にも留めないようなことを、子どもたちは自慢げに探し出してくる。自慢を話すときの子どもって、目が輝いているんですよ。調べてきたことをうれしそうに発表する子どもたちの顔を見ていると、「山鹿の自慢は無限にある」と感じます。
 
子どもが故郷を自慢すれば、両親や祖父母世代もそれを誇らしく感じ、やがて山鹿が自慢であふれる町になる。もっといい町になっていくと思うんです。

「山鹿もてなしたい」の活動でどんな手応えを感じますか?

子どもたちが広げる“ふるさと愛”の輪

今日は、山鹿市の小中学生がふるさとの自慢を発表しました。精霊舟の歴史を調べてきて「昔は子どもだけで舟を作ったんだって! すごかー」とか、一度は途絶えた雨乞い踊りが復興したことが分かって「ぼくたちのために残してくれてうれしい」とか、山鹿の歴史や文化に瞳を輝かせるのです。
 
これを聞いていて、「私が目指してきたのは、これだったんだ」と目頭が熱くなりました。この子たちが大きくなって親になり、自分の子どもたちと一緒に地元の魅力探しをしていく未来が見えたような気がしたんです。
 
町おこしって、“ふるさと愛”なんですね。市民みんながふるさとを愛してくれれば、それが町おこしになる。子どもたちがそれを率先してやっている姿を見て、この活動を続けてきて本当に良かったと思いました。
今後、山鹿をどんな町にしていきたいですか?

市民一人一人が誇れる山鹿の町

思いがけず演劇関係の市民団体からお声かけをいただいたりして、今後は違う分野の人たちとの交わりから新しい何かが生まれそうな予感がしています。ワイワイガヤガヤ意見を言い合いながら、山鹿をもっと良くするための輪を広げていきたいです。
 
そろそろ「山鹿もてなしたい」も、次世代へのバトンタッチの時期。私と違ったセンスを持つ人が代表になることで、また新しいネットワークができることを期待しています。そして私自身は、市民が誇れる山鹿の町づくりを実現するために色々な団体をサポートし、それぞれをつなぐ架け橋になりたいです。近い将来、「山鹿の人たちって、みんな町の自慢ばっかりしてるよね」なんて噂されるようになったらうれしいですね。
 
 
 
 
 

子どもたちの“ふるさと自慢”に宿る山鹿のみらい

ふるさとを自慢する漫才の掛け合いに笑ったかと思えば、美しい歌声が奏でる「よへほ節」の澄んだ響きに胸を打たれて、思わず目頭を押さえる人も。子どもたちの目線を通してふるさとの豊かな魅力を再発見するこの催しは、山鹿のどの世代の人にとっても素晴らしい気付きの場となったに違いない。
子どもたちに培われつつある、“ふるさと自慢”を見つける目。山鹿の町が誇りにあふれ、市民が口々にふるさと自慢をする、そんな日もそう遠くはないようだ。
団体プロフィール

山鹿もてなしたい

2012年、「山鹿とのご縁をいただいたみなさまをもてなしたい」との思いを持って集まった市民の有志で結成。教育委員会や山鹿市内の小中学校と連携を取りながら、主に子どもを対象に「ふるさと自慢」を見つける活動を行う。
子どもたちの発表の場「おもてなし子ども公演」や、高校生による町おこしイベント会議「四高会議」を通じて、地域の魅力を見つける目を育成。大人向けの山鹿宝探し「わくわく塾」、「山鹿市朝市(もてまるマーケット)」なども開催し、山鹿が市民の自慢であふれる町になることを目標にしている。

活動報告一覧へ戻る